2012年6月28日木曜日

『日曜日は終わらない』

初めてのブログ、

とりあえず、映画『日曜日は終わらない』の感想を述べようか。
この映画、1999年にNHKで放送されたテレビドラマ。その後2005年に劇場公開がされていてカンヌにも出品されている言わずと知れた名作。宮台真司は90年代日本映画のベスト3に入ると断言している

ただDVD・ビデオ化されていないため視聴困難。
そんな代物をどうやって観たかというと…ググッてみたら結構ネットにアップされていたwただ画質が荒いので、キャラクターの表情が見え難く、なかなか入り込むことができなかった。

それにしても、キャストがなかなかスゴイ。渡辺哲、塚本晋也、りりィ、大杉蓮…
そして林由美香(ピンサロ嬢の役)!!『監督失格』まだ観れていない。
というかNHKがよくAV女優起用を許したなと。やっぱりこの人スゴイ人なんだろう

肝心の内容は…
主人公が実の父親からリストラ宣告をうけたり、祖母が交通事故で死んだり、母親が事故を起こした相手と再婚したり、その再婚相手を殺したり刑務所入ったりと、まあ事件とも呼べるべき出来事はたくさん起こるんだが、それらの出来事はあくまで客観的に描かれていて、それに対する登場人物たちのリアクションもかなり薄い。長い尺で超ロングショット(引きの画面)が多用されていて、その観客と映画の距離感がそのまま登場人物と事件の距離感に似てるのかななんて思ったり。技法的にもかなり計算されて作られている。

この距離感は心ここにあらずの「脱社会的」な存在である主人公を際立たせている。
しかし、主人公だけが「脱社会的」な存在であるのではなくて、登場人物の多く(そしてこの映画に魅せられた人)がそうなのだ。そのような人間たちが繰り広げる、ささやかなコミュニケーションは心地よく、穏やかな波のごとく観ている人の心に響く。

脱社会的存在は、社会に敵対することなく柔和な存在として巧みに描かれている。
そして映画の中では、脱社会的存在とそれに対立する社会的存在といのが存在しないが、現実の世界では違う。
…現実ではどう生きるんだ、ニートやフリーターの諸君(自分含め)


                                 終わり



1 件のコメント:

  1. 急で申し訳ないのですが、明日11/17(土)に高橋陽一郎監督最新作『それからの海(ロング・バージョン)』(147分)を特別上映します。入場無料です。よろしければお越しください。
    http://www.tamaeiga.org/2012/program/010.html

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